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世界のロイヤルウェディング

世界のロイヤルウェディング

はじめに

ロイヤルウェディングは世界中の人が注目するスペシャルな結婚式で、その盛り上がりは国境を超えて世界中に伝わります。一般人がどれだけ豪華な結婚式を挙げたとしても、皇族や王族の結婚式との格の違いは明らか。だからこそ多くの人がロイヤルウェディングに憧れを抱き、注目し続けるのです。

本記事では数あるロイヤルウェディングの中でも、とりわけ世界の人々の関心を集めた歴史的ウェディングについてお伝えします。

1.ロイヤルウェディングとは

ロイヤルウェディングとは、王室を持った君主制国家における、皇太子や皇女の結婚式のことを差します。王室は世界の約40カ国に存在し、王室における「結婚」のセレモニーは「ロイヤルウェディング」と呼ばれます。
日本の天皇制も同様で、皇太子殿下や内親王殿下のご結婚はまさに「ロイヤルウェディング」です。

ただし、最近では一般人が豪華な装飾の会場や荘厳なイメージのチャペルなどを使ってヨーロッパ王室の結婚式に見立てたスタイルの結婚式を行うことが人気で、これをロイヤルウェディングと称して結婚式を挙げるカップルも出てきています。

2.世界から高い注目を浴びたロイヤルウェディング

ロイヤルウェディングは各国の王室で行われていますが、その中でも高い注目を浴びた結婚式は世界中の人々に強烈なインパクトを与え、深く記憶に刻まれます。

それでは早速、近年のロイヤルウェディングで特に関心を集めた女性たちをご紹介しましょう。

2-1.エリザベス女王(イギリス)

イギリス史上最高齢の君主であるエリザベス女王。1947年にエディンバラ侯爵フィリップ殿下とロンドンのウェストミンスター寺院で挙式が行われ、2017年には結婚70周年を迎えました。

第2次世界大戦後間もない時期に行われたこのロイヤルウェディングは、人々に明るいニュースと活気を与え、国民が未来に対して前向きな気持ちを取り戻すきっかけとなりました。

2-2.グレース王妃(モナコ)

1956年にモナコ大公レーニエ3世と結婚したグレース・ケリーは、もともとはアメリカの女優で、同時期に活躍したマリリン・モンローと肩を並べる大スターでした。

結婚した翌年、妊娠したことをマスコミに気づかれないようにエルメスのバッグでお腹を隠しました。これをきっかけにバッグが一躍有名となり、名前までもが「ケリーバッグ」と改名されたことは、おしゃれに敏感な人々の間では良く知られた話です。

2-3.ダイアナ妃(イギリス)

1981年に行われたチャールズ皇太子とダイアナ妃の挙式は世界中でテレビ中継され、視聴者の数は推定7億5000万人に上ったといわれています。結婚式の会場となったのはロンドンのセント・ポール寺院でした。
ダイアナ妃の姿を一目見ようとロンドンの街中は60万人もの人であふれかえりました。

ダイアナ妃の婚約指輪は、ホワイトゴールドのアームに12カラットのサファイアを中央に配置し、その周りを14個のダイヤが取り囲んだデザインでした。特注品でなく市販品であったことから格式を重んじるロイヤルファミリーの間で物議をかもしたこともありましたが、人々がこぞって同じ指輪を手に入れようとするなど、大きな話題を呼びました。

このダイアナ妃の婚約指輪は、後にウィリアム王子がキャサリン妃へプロポーズする際に使われ、イギリス市民の間でも心温まるエピソードとして語り継がれています。

2-4.雅子皇后(日本)

1993年、当時皇太子であった浩宮徳仁親王殿下(今上天皇)と雅子妃殿下(皇后陛下)がご結婚されました。婚約内定から明るいニュースとして日本国中の注目を集め、社会全体がお祝いムード一色となりました。

当時はバブルが崩壊して日本経済が後退期に差しかかっていたタイミングと重なっています。沈みがちな空気を一変させる大きな出来事に人々は心から喜び、街頭では号外が配られました。雅子妃殿下がご成婚時に着用されたローブ・デコルテは、世界的に有名な森英恵さんのデザインでした。ローブ・デコルテとともにお召しになったジャケットには大振りの薔薇の花びらが襟元にあしらわれ、その華やかな装飾が雅子妃殿下の美しさを際立たせていると女性たちの視線をくぎ付けにしました。

浩宮徳仁親王殿下(今上天皇)と雅子妃殿下(皇后陛下)がロールス・ロイス・コーニッシュⅢのオープンカーでパレードに出発する直前、それまで降り続いていた雨がピタリとやみます。その自然がもたらした演出はまるで神々がお二人を祝福してくれているようだと話題を呼び、日本中の国民が感動に包まれました。

皇后となられた現在は、外交官だったかつてのキャリアを生かしたスマートできめ細やかな国賓へのおもてなしが世界的に称賛されています。まさに日本の新時代にふさわしい皇室外交として、これからも高い注目を集めていかれることでしょう。

2-5.紀子妃殿下(日本)

礼宮文仁親王殿下(秋篠宮文仁親王殿下)と紀子妃殿下は1990年にご結婚されました。お二人は、学習院大学構内の書店で運命的な出会いを果たします。秋篠宮殿下が大学2年生、紀子妃殿下が大学1年生の時の出来事でした。のちに紀子妃殿下は秋篠宮殿下に誘われて、東宮御所で開催されたテニスの会へのご参加や自然文化研究会での活動を通して仲を深められましした。

学習院大学のある目白駅近くの交差点で信号待ちをしているとき、秋篠宮殿下が「私と一緒になってくれませんか」とプロポーズをしたエピソードはあまりにも有名な話です。

また、紀子妃殿下はお父上(川嶋辰彦氏)が学習院大学教授であった当時、学習院大学教職員用の共同住宅にお住まいでした。そのことからご成婚時は「3LDKのプリンセス」とも呼ばれ、一般家庭から生まれたシンデレラストーリーに世の女性たちは心を躍らせていました。

2-6.黒田清子さん(日本)

黒田清子さんは、上皇陛下と上皇后美智子陛下の第1皇女子として誕生された元皇族です。今上天皇と秋篠宮文仁親王殿下の妹にあたり、皇族時代の名称は紀宮清子内親王殿下でした。また、「サーヤ」の愛称で呼ばれていたことも広く知られています。2005年、黒田慶樹さんとのご結婚を機に皇族の身分を離れて民間人となり、現在は伊勢神宮祭主に就任されています。

清子さんは帝国ホテルで結婚式を挙げられました。その時着用していた白いドレスは、清子さんが以前からお好きだったアニメ「ルパン三世カリオストロの城」のヒロイン、クラリスの衣装がモデルになっているとも言われ、当時大きな話題を呼びました。

また、神前式の会場で行われた結婚式も一般的なものとは異なっていました。本来、神前式における席次として神棚の右側に新郎側の親族が参列します。これは「右上位」といって右の方が左よりも位が高いという考え方に則ったしきたりです。清子さんの結婚式では天皇陛下をはじめ皇族方が出席されるため、本来なら新郎側の席である右側を新婦側参列者の席とし、その最も奥の最上位に天皇皇后両陛下の席が用意されました。このことからも清子さんの結婚式が世間一般とは一線を画した特別なものであることがよく分かります。 

2-7.ジェツン・ペマ王妃(ブータン)

「幸せの王国」と呼ばれるブータンで、ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王とジェツン・ペマ王妃が結婚したのは2011年のことです。

色鮮やかな民族衣装をまとった結婚式は国王のりりしさと王妃の美しさを引き立て、日本でも大きな話題となりました。また結婚後初の公式訪問先として日本を選ばれ、東日本大震災の被災地を訪問するなど日本との親交も厚く、国家間の良好な関係は今なお続いています。

2-8.キャサリン妃(イギリス)

ウィリアム王子とキャサリン妃は、2011年にウェストミンスター寺院で結婚式を挙げました。ウェストミンスター寺院はエリザベス女王と同じ式場というだけでなく、故ダイアナ妃の葬儀が行われたことでも有名です。

そして、ウィリアム王子がキャサリン妃に贈ったサファイアの婚約指輪が故ダイアナ妃のものであったことは前述の通りです。

ふたりの結婚式や婚約指輪から、故ダイアナ妃に思いをはせる人も多くいました。幼くして母を亡くしたウィリアム王子の幸せを国民中が祝福し、世界中の話題をさらったことは言うまでもありません。

2-9.メーガン妃(イギリス)

イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングは2018年5月19日のことで、ウィンザー城内のセント・ジョージ礼拝堂にて行われました。

チャールズ皇太子とほどのスケール感はないものの、セント・ジョージ礼拝堂も歴史ある由緒正しい礼拝堂として有名な場所です。

ヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングは、これまでのイギリス王室の伝統と照らし合わせると異例づくしのものでした。現代らしくタブレットを片手に持ったアメリカ人主教による14分間のスピーチは世界中の人の視線をくぎ付けにしました。またアメリカの名曲「スタンド・バイ・ミー」を黒人聖歌隊がゴスペルで合唱したことも、それまでのイギリス王室ではあり得ないロイヤルウェディングの形でした。

このことからも、ふたりが伝統にとらわれず多様性を受け入れ、自由な思想でイギリス社会に一石を投じようとする姿が見て取れます。

今まで王室のことは全く別世界の存在として関心を示さなかった黒人系イギリス人や移民たちにとっても、ヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングは身近に感じられるものとなりました。その後ふたりは王族の称号である殿下・妃殿下「His(Her)Royal highness」を返上して王室を離脱するという大きな決断を下し、現在は息子アーチー君と3人でアメリカロサンゼルスに移住しています。

まとめ

幸せに満ち気品あふれるプリンセスたちのロイヤルウェディングは、時代を超えて人々を魅了し続けます。ロイヤルウェディングはただ単に豪華絢爛なだけでなく、それぞれにかけがえのないストーリーが存在します。結婚に至るまでのふたりの愛の軌跡に想いをはせながら新しい歴史を刻む瞬間に立ち会うという高揚感は、ロイヤルウェディングだからこそ味わえる特別なものです。

次の時代には一体どのようなシンデレラストーリーが生まれるのか……人々は世界のロイヤルウェディングを、これからも期待を込めて注目し続けることでしょう。