はじめに
大切な彼女へ満を持してのプロポーズ。
男性にとって絶対に失敗したくない、人生の中で最も大きなイベントの1つです。
ただし、「好き!」という気持ちだけで突っ走ってしまうのは少し危険です。
プロポーズを成功させるためにはその場にふさわしいトーンやマナーを押さえ、ある程度準備しておく必要があります。
いざとなると、
「彼女へどのようにプロポーズすればよいか、いまいち分からない」
「断られたらどうしよう……」
そんな不安を抱く男性は少なくありません。
本記事では、彼女が思わずオッケーしてしまうようなプロポーズの極意をマナー講師の観点からご紹介します。
目次
1.プロポーズ成功の秘訣は「トーン」にある
「プロポーズをするなら絶対に成功させたい」、そう願うのは誰だって同じです。そのためにはプロポーズのトーンを考えることからスタートします。
トーンとは、GOO辞書で確認すると次のように書かれています。
- 音、音調。
- 色調。「暗いトーンの絵」
- 物事全体から感じられる気分・調子。「交渉相手のトーンが変わる」
- 「スクリーントーン」の略。
プロポーズの場面における「トーン」は、テンションや空気感といったことを指します。
1-1.なぜプロポーズのトーンが大切なのか
プロポーズをする上で、空気を読むことは非常に大切です。
相手の様子やプロポーズのシチュエーションによって振る舞いを臨機応変に変えていかないと、場違いな空気が流れて気持ちも盛り上がっていきません。最高の気分でクライマックスを迎えるためにも、声の大きさにも配慮し、心のこもった語り口で大事なメッセージを伝えましょう。
1-2.空気を読んだ話の切り出し方
いざプロポーズしようと心に決めても、話を切り出すタイミングは難しいものです。
まずは焦らないことです。
プロポーズの言葉は、食事をしている場合は食後のコーヒーの頃、遊びに出かけた先なら十分に楽しんだ後のクライマックスに用意することが肝心です。「今日は大事な話をして良いかな……」と彼女のYESを引き出すような切り出し方でスタートさせると、その先もスムーズに話を進めることができます。
1-3.絶対やってはいけないプロポーズの方法
プロポーズを一発で成功させたいなら、絶対にやってはいけないパターンがいくつかあります。
1つ目は「照れ隠しのためのふざけたテンション」です。はずかしさが先に立ち、調子に乗った言い草では「馬鹿にしてるの!?」と相手も怒ってしまいます。
また、「周囲を顧みない行動」も控えるべきです。静かなレストランの中、大声で「僕と結婚してください!」なんて言われたら注目の的となってしまい、居心地が悪くなって女性はさっさと帰ってしまいたくなります。
また、SNSでのプロポーズも絶対にやめましょう。面と向かって話すことで、言葉だけでなく態度や醸しだす雰囲気からも、本当の熱い気持ちを伝えることができます。便利なツールに頼ることなく、真正面からぶつかる勇気を忘れないでください。
2.プロポーズまでの準備
プロポーズは、タイミングなど気にせずその場の勢いに任せてするケースもありますが、成功率を高めるためにはきちんと準備をした方が安心です。
相手のことより自分の都合を優先した一方的なプロポーズは、彼女から「勝手な人」と思われてしまい、残念な結果を招きかねません。
これなら結婚生活にも期待が持てそう……彼女にそう安心してもらうためにも、しっかり段取りを踏んでおきましょう。
2-1.タイミングを決める
プロポーズ成功の先に待っているのは結婚です。結婚はプロポーズする自分だけでなく彼女にとっても人生で一番大きな節目となるため、決断には大きな勇気が必要です。
相手が今すぐにでも結婚したいと思っているのか、まだしばらくは恋人同士でいたいと思っているのか見極めることが大切です。
また、今は女性もキャリアプランを考える時代です。
彼女が「今は仕事に打ち込みたい」と思っているときにプロポーズしても、うまくいかない可能性があります。
相手の様子や状況から判断して、一番良いタイミングを計っていきましょう。
2-2.プロポーズする日を決める
このタイミングなら大丈夫そう、と判断したら、次に具体的な日にちを決めます。
プロポーズは、一生忘れられない思い出として2人の脳裏に焼き付くものです。どの日に焦点を当てるのか慎重に選ぶことも相手へ気配りの1つといえます。
2-2-1.クリスマス
クリスマスは世の中が1年で1番華やいでいます。
街中はイルミネーションできらめき、ロマンティックな雰囲気に包まれた中でのプロポーズはまるで映画のワンシーンのよう。最高の演出が期待でき、忘れられない日となることは間違いありません。
2-2-2.誕生日
誕生日という彼女だけの大切な日にプロポーズを決めることもおすすめです。彼女にとって最も嬉しい日に結婚を申し込むという行為は、彼女をいかに大切に思っているのかを伝えることもでき、「この人なら結婚してもきっと私のことを大事にしてくれる」と彼女の結婚に対する前向きな判断材料にもなります。
2-2-3.2人だけの記念日
2人が付き合い始めた日や初めてデートした日、初めて出会った日など、2人だけの特別な記念日にプロポーズする方法もあります。
大事な日をきちんと覚えてくれているという嬉しさに加えて、1つ1つの思い出に丁寧に向き合うマメさや優しさも感じられ、「将来もきっと家庭を大切にしてくれるだろうな」という彼女の安心感にもつながります。
2-2-4.何気ない日常
プロポーズされる側にとって、クリスマスや誕生日などの特別な日だけが嬉しいわけではありません。女性はごく普通の何気ない日にこそ幸せがあることを知っています。
彼女にとって本当は大げさなイベントや派手な演出は二の次で、結婚を決めてくれた彼の気持ちこそが嬉しいのです。
「プロポーズによって『普通の日』が一気に『ハレの日』に生まれ変わる」。
そこに喜びが隠されています。
2-3.シチュエーションにも気を配る
プロポーズする日を決めたら、次はどのようなシチュエーションで切り出すかを考えておきます。
雰囲気を大切にするなら、素敵なレストランや夜景の見える場所がベストです。女性はその場の空気感やムードによって気持ちがコロッと変わることがあります。美味しい料理やきれいな景色を味方につければ、彼女の気分が上々のときに話を切り出すことができます。
また、いつものように過ごす中で決めてくれるプロポーズも嬉しいものです。リラックスした穏やかな気持ちの中でメッセージをさり気なく伝えてくれたら、相手の心にあたたかい嬉しさがふわっと広がります。
反対に凝りすぎたシチュエーションは、失敗のもとです。
サプライズもやりすぎると逆効果。周囲を巻き込んだ芝居がかった演出や、食べ物の中に指輪を仕込んでおいて驚かせるといった類のものは、テレビやドラマでは楽しめても、本当にされたら引かれることがほとんどです。
「サプライズ」と「ドッキリ」は違います。やりすぎには注意しましょう。
2-4.婚約指輪を準備する
突然思い立ってプロポーズをする場合は別として、基本的には婚約指輪を用意しておきます。
彼女を大切に思う気持ちを見える形にしたものが婚約指輪であり、プロポーズの言葉と同じくらい大切なアイテムです。
安易な気持ちで選ばず、よくよく考えて決めましょう。
2-4-1.婚約指輪は余裕をもって準備しておく
婚約指輪はお店で選んでも、その場で買ってすぐ持ち帰ることができない場合があります。サイズを直す必要があったり、取り寄せるのに時間がかかったりする商品もあります。
2人のイニシャルや日時などを指輪の内側に刻みたい場合は、特に日程に余裕をもって準備しましょう。少なくともプロポーズの1カ月前までには選んでおいた方が安心です。
2-4-2.婚約指輪を用意してはいけない場合もある
プロポーズには婚約指輪がつきものと考える男性は多いですが、中には指輪を用意してはいけないケースもあります。
彼が「彼女にピッタリだ」と思って買った婚約指輪も、彼女の趣味と違っていたら台無しです。
せっかく頑張って渡しても、喜んでくれなかったら意味がありません。
彼女が「おしゃれ」、「センスが良い」、「こだわりがある」、「好みがはっきりしている」……そんなタイプの場合は、プロポーズの後に一緒に選びに行きましょう。
「婚約指輪を着けるのは私だから、気に入ったものを自分で選びたい」
そう考えている女性は意外と多いです。指輪選びに自信がないならはっきりそう言ってくれた方が、彼女はよっぽど嬉しいはずです。
2-4-3.婚約指輪以外にもプレゼントはあった方が良い
婚約指輪を用意する場合もそうでないときも、プロポーズ時にプレゼントがあった方が絶対喜ばれます。
定番はやっぱり花束です。彼女の好きな色や花の種類をあらかじめリサーチして渡せば、文字通りプロポーズに花を添えてくれるでしょう。
プロポーズの場所がレストランやホテルなら、お店のスタッフに前もって預かってもらい、タイミング良く持ってきてもらう方法もアリです。
婚約指輪をプロポーズ時に用意しない場合は、ネックレスやピアスなど、指輪に代わるジュエリーをプレゼントすると彼女も間違いなく喜んでくれます。
2-5.「伝わる」プロポーズの言葉を考える
どれだけ平常心を装っていても、いざとなると大舞台を前に緊張してしまい、何と言ってよいか分からなくなってしまうものです。
当日カッコよく決めるためにも、プロポーズの言葉はあらかじめ考えておきましょう。
彼女にきちんと「伝わる」プロポーズをするために大切なポイントは「ゆっくり・はっきり・短く・丁寧に」です。
2-5-1.ゆっくり・はっきり・短く・丁寧に
「あなたと結婚したいんです」という気持ちをきちんと伝えるためには、言葉を「ゆっくり」「はっきり」「みじかく」「丁寧に」話すことが重要です。
緊張していると、「早く言い終わってしまいたい」という気持ちから、いつも以上に早口となってしまいがちです。
自分が思っている以上にゆっくりめのスピードで、はっきりと伝えましょう。
センテンスは短くします。ビジネスと同じで、一文が長いと結局何が言いたいのかよく分からず、聞いている相手はイラッとしてしまいます。
ただし、短ければよいというものではありません。ぶっきらぼうに言い放つなどはもってのほかです。あくまで丁寧な言葉遣いで、ジェントルマンでいきましょう。
3.絶対に押さえておきたプロポーズのマナー
仕事同様、プロポーズをするときも大切なマナーがあります。
まさか「マナーなんて面倒くさい。オレ流でいい!」と思っていたりしませんか?プロポーズは結婚へ向けての第一歩。これから夫婦として歩んでいくために最も大切な「誠実さ」を伝えるためにもきちんとした姿勢で臨み、彼女に真剣な気持ちを届けましょう。
3-1.見た目は大事!服装や身だしなみを整える
「人は見た目が100%」なんていうフレーズが存在するくらい、視覚から入ってくる情報はその人の印象を大きく左右します。中でも服装は大きな面積を占めているためインパクトが強く、プロポーズの印象に直結します。
3-1-1.きちんとした服装で誠実さをアピール
プロポーズをするシチュエーションにもよりますが、どんな場所でもある程度きちんとした服装で臨めば誠実さをアピールすることができます。
最もきちんと感が伝わる服装はスーツです。色は明るすぎず、黒や紺、グレーなどのダークスーツにすると外すことはないでしょう。ただしビジネスに寄りすぎないよう、ネクタイを明るめにしたりカラーシャツを選んだりするのもおすすめです。もう少しカジュアルにしたい場合は、ノーネクタイにジャケットを羽織るスタイルも良いでしょう。
大切なのは、彼女に「いつもとちょっと違うな」と感じてもらうことです。女性はそれだけでワクワクして嬉しい気持ちになります。
今日は特別な日であることを服装でも表していきましょう。
3-1-2.一番大切なのは清潔感
どれだけおしゃれに決めたとしても、清潔感がなければ素敵さは半減です。
デザインのカッコいいシャツも、シワシワ・ヨレヨレでは相手に与える印象が変わってしまいます。清潔と清潔感は違います。自分にとってカッコ良いだけでなく、相手から見てきちんと見えるか、不快に思われないかを常に考えておきましょう。
3-1-3.髪・靴・手……人の視線は「先端」に集まる
人の視線は無意識のうちに「先端」に集まります。先端とはつまり、頭や足、手などです。
いくら服装に気を遣っていても、髪の毛がボサボサではきちんと感は出ません。
同様に、手の爪は伸びていないか、靴は汚れていないかをチェックし、身ぎれいな状態をキープします。
その他、襟元やジャケットの袖先、ズボンの裾も意外と目立ちます。ほつれていたり汚れたりしていないかを、プロポーズ前に化粧室などで確認しておくと後で後悔しなくて済みます。
3-1-4.彼女がラフな格好だったら
自分はプロポーズするつもりでビシッと決めてきたけれど彼女はラフな格好だった……そんなときは、彼女が気後れしないよう気遣いを見せることも大切です。
彼女とのバランスを考えてネクタイをあえて外す、ジャケットを脱ぐなど臨機応変な対応ができればベストです。
またアウトドアやスポーツ、屋外イベントなどカジュアルなデートの後にプロポーズする場合、あまりかっちりとした服装ではかえって不自然です。
周りから浮いた格好ではなんとなく悪目立ちしてしまい、彼女も居心地が悪く恥ずかしい思いをしてしまいます。TPOを考えた装いは大切ですが、どのようなファッションであっても清潔感だけは失わないよう気をつけましょう。
3-2.しぐさや立ち居振る舞いも大切
視覚から入ってくる情報は服装だけではありません。
自分自身の表情や態度、振る舞いも好感度アップに欠かせない要素です。いくら気合いを入れてビシッとスーツで決めてみても、顔つきが怖かったりオドオドしていたり、反対に偉そうな態度では100年の恋も冷めてしまいます。
これは、プロポーズのときだけ頑張ろうとしてもうまくいきません。自然な振る舞いができるよう、日ごろから心掛けることが良い結果につながります。
3-2-1.表情は笑顔
なんといってもその人の印象に直結するのが表情です。一世一代のプロポーズの場、誰だって緊張するのが当たり前ですが、あまりにも硬い表情では彼女もテンションが下がってしまいます。
穏やかな笑みはプロポーズの最高のエッセンスとなり、2人の間に流れる空気に彩りを添えてくれます。ぜひ習得して、素敵な思い出の1ページを飾ってください。
にこやかな笑みを作るためには「口角を上げて目尻を下げる」こと。目の前に彼女がいると思って、鏡の前で練習してみましょう。
3-2-2.相手の目を見る
相手の目を見ることをアイコンタクトといいます。アイコンタクトはコミュニケーションの第一歩です。同じ内容のことを話すとしても、きちんとアイコンタクトを取っているのといないのとでは、伝わり方に雲泥の差があります。
プロポーズのときは、照れくさい気持ちもあるでしょうが、きちんと彼女の目を見て話をしましょう。
ただし、相手の目を凝視するような目力たっぷりのアイコンタクトは、時としてお互い疲れてしまいます。
柔らかい表情で相手を見つめるためには、おでこから鼻までの広い範囲をふわっと見るようにしましょう。それでも相手には十分目が合っているように映ります。
3-2-3.姿勢を正す
絵になる姿は、立っているときでも座っているときでも、背筋を伸ばした姿勢です。胸を張って肩を開き、猫背にならないよう注意しましょう。
「結婚してください!」とプロポーズするとき、首だけペコリと下げるお辞儀は貫禄がなく、やぼったく映ります。
腰から頭までが一直線となるように意識してお辞儀をすると、プロポーズもバッチリ決まります。普段から姿勢が悪い人は特に気をつけてください。
3-2-4.絶対にやってはいけないしぐさ
プロポーズの時に絶対やってはいけないしぐさは以下の通りです。
腕を組む | ふんぞり返る |
足を組む | 見下ろす視線 |
上目づかい | 髪の毛をやたらと触る |
こういったしぐさは相手に悪い印象を与えてしまい、残念な結果を招いてしまう恐れがあります。
そんなつもりはないのに「本当に大切に思ってくれているのかな……」と勘違いされてしまっては大変です。
知らず知らずのうちに癖になっている場合もあるため、一度自分自身を振り返りチェックしておきましょう。
まとめ
永遠の愛を誓うプロポーズの瞬間は、カップルにとってかけがえのない宝物です。結婚して何年、何十年経っても、甘酸っぱい気持ちがよみがえるプライスレスな思い出として人生を彩ってくれます。
プロポーズを成功させるためには、自分本位にならず相手を思いやる気持ちや気遣いの心を忘れないことが大切です。プロポーズの場にふさわしいトーンやマナーをきちんと押さえ、自分史上最高の瞬間を迎えてください。